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コメント|映画『時には昔の話を』

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有村昆(映画コメンテーター)

特に印象深いのが、TV創世記の話。全て生放送だからNGが出せない。しかもギャラが前払い制。ラジオが500円だったからテレビは前例がないから1000円と書いて取っ払いで事前にギャラをもらう。悪い奴はそこから飲みに行って戻ってこない。なんて話はもう2度と聞くことないんだろうな。洋画の吹き替えをやるときにも、日本語が上手い外国の俳優さんだね!って言われていたのも、今は聞くことがないでしょう。

デジタルでいくらでも撮り直しや加工が出来て、ショート動画が大量消費されている昨今、丁寧なモノづくりの姿勢を教えていただいた傑作ドキュメンタリー。

道に迷ったら、本作を見返したいものである。

小寺和久(脚本家)
『新聞記者』『全裸監督2

誰もがきっと一度は聴いたことがある『紅の豚』のポルコ・ロッソのあの名台詞。その声の奥に宿る魅力に迫ることができるドキュメンタリー。森山氏を語る方々の表情の豊かなこと。そして森山氏の歩んできた道のり、築いてきたもの、その思考に触れ、何よりそのお人柄に魅了されました。心温まり、そして作り手として背筋の伸びる時間をありがとうございました。

サムエル・ケフィ・アブリック SAMUEL KEFI ABRIKH(アクション監督/アクションコーディネーター)
『Nicky Larson et le Parfum de Cupidon(シティーハンターTHE MOVIE史上最香のミッション)

自分にとって影響が大きく、日本語を学ぶきっかけにもなったのは、他でもない日本のアニメーションで、もちろんオリジナルの声優さん達の声で観ていました。声優業界の扉を開く素敵なドキュメンタリーです!今まで観てきた掛け替えのない作品に、アテレコをしてきた伝説の声優さん達の登場や、日本の声優の文化にとても興奮しました!

東かほり(映画監督・グラフィックデザイナー)
『ほとぼりメルトサウンズ』

『紅の豚』のポルコの声に、子供ながらにドキドキした記憶。これが色気というものなのだろう。

車の後部座席に乗って、過去を巡る旅がたまらなかった。うれしそうに餃子をつつく森山さんの手に、生きてきた時間を感じる。映画みたいな人生。

記憶から逃げない独特の声は、きっとずっと、名作とともにたくさんの人の頭の中に残りつづける。

大川祥吾(映画監督)
『水戸黄門Z』『サムライオペラ』

今では大人気の「声優」という職業。

世界でも日本だけにしかないと言われるこの特殊な職業が、どうやって生まれていったのかが少しわかったような気がしました。

森山さんは「俺は声優じゃなく俳優だ」と言われるかもしれませんが。

出てくる言葉の一つ一つがかっこいい。

“豚さん”は何度観ても観る度に惚れてしまいますが、その理由は紛れもなく森山さんの人生が垣間見えるからなんでしょうね。

あぁ、また観たくなってきたな。

馬渕有咲(映画監督)
『ホモ・アミークス』

私たちが知らない昔のテレビ俳優がどんなものだったか、というお話から始まり、徐々に森山周一郎という人間を深堀していく構成に引き込まれました。

戦後日本の、職業としての役者が辿ってきた歴史。森山さんはその変遷の証人であり、同時にその移り変わりによって形作られた人だったんだと思います。

声優と俳優に違いなどない、演技をする上で大切なことは変わらない、声優と俳優という呼び分けのない時代から演じ続けてきた森山さんの言葉だからこその説得力がありました。

演じることを生業にする人、そしてそれに関わる全ての人に見てほしい作品です。

宮川博至(映画監督)
『テロルンとルンルン』『とべない風船』

森山周一郎=「紅の豚」のポルコ・ロッソ。そのイメージが森山周一郎の大部分を占める人ほど、この映画を見てほしいと思う。なんの予備知識もこの映画には必要ない。
見終わる頃には、森山周一郎という役者と、森山がポルコ・ロッソを演じるまでに生きた昭和の吹替、アフレコ黎明期を知ることができる。と、同時に彼の生き様と役者としての哲学が、声として現れているのだと感心させられる。

声優を目指す若者には、この映画は教科書になる。多大なヒントと共に、背中を力強く押してくれるだろう。森山周一郎の言葉はリアルで、現実を突きつける強い力があるからだ。

歴史を知ることで、明るい未来は作ることができる。

浅沼直也(映画監督)
『冬が燃えたら』『HAKUSHI PROJECT』 

声を形成するのは、体格や骨格などの先天的な要素が2割で、8割は生育環境や性格や心身の状態である。例えば顔をしかめれば声は暗くなるし、疲れていれば言葉の出だしが擦れる。こうした情報を、聞き手の脳は無意識に受け取っているのだという。
第二次世界大戦で森山は自身の家をB29の焼夷弾に燃やされる。
そこで感じた事は僕にどこまで想像出来るだろうか。
しゃがれて渋い声という形容がチープなほど「飛ばねぇ豚はただの豚だ」の意味深さに、このドキュメンタリーは到達している。
声と向き合う時、自分の過去と向き合う事になるのだと思った。

松本動(映画監督)
『星に語りて~Starry Sky~』『公衆電話』

インタビューに答える森山周一郎さんは『偉そう』な話し方をされるのだが、それは決して自分を誇示するというのではなく、一人の男が歩んで来た長い人生から学んだ自信がそうさせており、偏屈な上司が偉そうに小言を並べるのとはわけが違うので、聴いていて実に心地よい。
映画のラスト、森山さんが後輩諸君にアドバイスを贈るその口調も相変わらず偉そうだが、後輩思いの愛情溢れるその人柄に目頭が熱くなった。ほんと人たらしな方である。  

秦 俊子(アニメーション監督)
『パカリアン』『危険信号ゴッデス』

時代が流れても変わらない、演じることの本質とは何かを学ばせてもらいました。
これからまた新しい時代へ移り変わっていっても、森山さんの言葉はずっと受け継がれていくと思います。
俳優だけでなく、全ての仕事に通じる大事なものが語られている映画でした。
私は世代的に森山さんは『紅の豚』のポルコ役がとても印象深いのですが、ふとした瞬間に森山さんがポルコそのものに見えてくるほどに、ご本人が役と深く繋がり合い、唯一無二のものになっているのだと感じました。
ぜひ多くのかたに届いてほしい映画です!

永岡 俊幸 (映画監督)
『クレマチスの窓辺』

戦後、テレビの黎明期から「声の芝居」で活躍した一人の俳優がカメラの前で語る。男の顔は履歴書とばかりに。
その伝記の中で、戦争や進駐軍、テレビの繁栄などの20世紀的な歴史が見え、「声優」ではなく「俳優」が声で演じることの違いを知る。
どこで出てくるとは言わないが、森山さんが俳優のあり方を話して笑う、正面からの寄りのカットがあるのだが、その顔が本当に凄まじい。
そして、子供の頃、金曜ロードショーで毎回観ていた『紅の豚』で加藤登紀子さんの歌う「時には昔の話を」が掛かるエンディングに接し、果たして自分のような若輩者がコメントを寄せさせてもらってもよかったのだろうか、と思うのである。

金晋弘 (映画監督)
『もんちゃん』

“ 飛ばねえ豚は ただの豚だ ”
そのセリフ(テキスト)でなく、声こそが語るんやなあ、ポルコ・ロッソの生き方、その人生を。
そんなことを自然と教えてくれるチャーミングなドキュメンタリー映画!

スタジオジブリ 鈴木敏夫

森山さんといえば刑事コジャック。宮さん(宮崎駿)もファンだったので迷うことなく森山さんを指名した事を覚えてます。あと個人的には、同じ中日ドラゴンズのファンとして、ご冥福を祈ります。

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